ビーツをまな板の上でカットすると、まな板だけでなく、包丁、自分の手までもがビビッドなピンク色に染まってしまう。 19世紀ごろには英語で「血蕪(blood beet)」と称されたほどの赤にも近い濃いピンク色は、ふと血の色を想像してしまうほど鮮やかで、思わず「ああ、この野菜も生きていたんだ」と思ってしまう。
そう連想するのも仕方がない。 なにせ、ビーツは「飲む血液」と言われるほど、豊富な栄養素をその身に蓄えている。
わたしたちの体内に良い影響をもたらすそのエネルギッシュな側面と合わせて、やはりその独特な色にも注目したい。 そもそもピンク色には、実は不安定な心理状態を落ち着けてくれるという心理学的な結果がある。 しかも、ビーツのような、濃いピンク色が特に効果があるという。色彩心理学的に見ると、濃いピンク色には「活動的な赤」と「鎮静をもたらす青」の要素が両方とも含まれている。 この色を目にすることによって、自律神経のバランスが整い、交感神経の興奮が鎮静化されて血圧が安定し、心の状態を上向きに導いてくれるのだ。
つまりビーツは、自身にたっぷりと蓄えた豊富な栄養素と美しく鮮やかなカラーによって、わたしたちのからだとこころをエネルギーで満たしてくれる、素晴らしくハイスペックな食べ物なのだ!
「世界を、ピンクに」
Love&Beetsが掲げるこのメッセージは、詰まるところ、世界中の人々を豊かで力強いからだとこころへと導いていくという、高らかな宣誓である。
ふと悩み、立ち止まり、うつむいてしまうときも、日々がんばるわたしたちには訪れる。そんなとき、このメッセージがすこしでも聞こえていたらいい。
からだを労わり、こころを癒し、すこしずつ、世界がピンクに染まればいい。
だれかを、そして自分を元気づけるピンクは、だって、愛にあふれた世界でしょう。